梅雨にお風呂や温泉を勧めるわけとは?
梅雨の時期、だるかったり、痛みが出たり・・・。体調の不調を訴える方も多いですね。この時期、お風呂や温泉をお勧めする訳とは?
■梅雨は気圧、湿度の変化が大きい時期
気持ちの良い五月晴れの時期から一転、梅雨の時期になると毎日じとじとと雨が降り、だるさが出てきたり、あちこち体が痛んだり、と体調不良を訴える方が増える時期です。
人間の体はデリケートで、梅雨の時期に多くなる低気圧や、高い湿度が、身体にとって大きなストレスになります。最近は天気による体調の変化は気象病などとも言われ、注目を浴びています。
一方、私たち温泉を研究する専門家にとっては、以前より療養先の温泉地を選ぶときには「山の温泉」「平地の温泉」という地理的な標高も考慮に入れています。これは標高によって「気圧」が変わるためです。
つまり、「山の温泉」は高い標高のために気圧が低くなり、その分、体にとって刺激となると考えられ、体力のない方へはお勧めしないことがあります。これらの考え方は気候療法と言われている分野になりますが、天気による身体の変化もこれに近いところがあります。
このように気圧の変化による身体への影響はさまざまな医学分野で注目されていることでもあります。
■梅雨の時期の体調不良の原因は?
医学的研究でも以前から天気が悪化するとさまざまな体調不良が起こることが報告されています。特に、梅雨の時期は、気圧が低くなることが多くなり、人体の交感神経が過剰に刺激され、自律神経が乱れがちになります。
そのことによって、だるさや頭痛、腰痛、リウマチ痛の悪化といった様々な体調不良が現れます。特に痛みは交感神経が興奮することによってより強く感じると言われています。実験的に気圧が低い環境にさらされると、頭痛などが悪化することも報告されています。
■梅雨の時期はじっくりぬるめのお風呂・温泉で
自分で自律神経を整えることはなかなか難しいものですが、お手軽に交感神経の刺激を弱める方法としては、ぬるめのお風呂を利用することです。
40-41度以下のぬるめのお湯に浸かることで、交感神経の興奮を抑え、リラックスの神経である副交感神経が刺激されます。特に広い浴槽や露天風呂などの温泉ではリラックス効果がより期待できるでしょう。
ぬる湯で交感神経の過剰な興奮が抑えられることで、痛みへの感受性も弱くなる他、温泉で温めること自体によっても痛みへの改善効果があるため、梅雨の頭痛や腰痛などの不快な症状には効果的と言えるでしょう。
梅雨の時期、ちょっと体調が悪いな、と思ったら早めに広い温泉でゆっくり温まって自律神経を整え、体調を改善しましょう。